第5回 移住者インタビュー『新しいものを提案していきたい』 森川 香穂里さん

森川 香穂里(もりかわ かおり) 大船渡市 出身  Flower Shopもりかわ

―Uターンされたきっかけは。

家業の花屋を継ぐためです。両親も高齢になり、このまま継ぐ人がいなければ廃業になってしまいます。子供の頃からあった場所が無くなってしまうことが、想像出来ませんでした。高校を卒業する時はそれでも他の仕事がしたいと考えていて、以前からお菓子作りや栄養面を考えた食事作りということに興味があったことがあり、東京の大学では栄養学を学びました。これまで両親からは言われたことがありませんでしたが、親戚や周りから「将来はあなたが継ぐのよ」と言われていたことへの反発もあったと思います。大学卒業後は、結局、その様な仕事には就かず東京の花屋で働き始めました。

―大船渡へいつ頃戻られたのでしょうか。

大船渡へは昨年(2017年)11月に戻りました。

―フランスへ行かれていたと伺いました。

大船渡へ戻る前に、ワーキングホリデーでフランスへ7か月間行っていました。最初の2カ月をリヨンという町で語学学校に通い、残りの5か月間パリで働きました。パリでフランス人オーナーの、日本人の方が手伝われている花屋を見つけることができ、そちらで働かせていただいていました。

―フランス語でお仕事をされていたのはすごいですね。

フランス語も英語もあまり得意ではないのですが、わからない時はその日本人の方に日本語で説明していただきながら働いていました。

―大船渡に戻られてからは。

住まいは両親と同居しています。仕事はもともと家業を継ぐために戻って来ましたので、実家の花屋で働いています。

―移動については。

親の車を一台借りています。この地域は一人一台車が無いとやはり不便ですね。

―買い物等については。

東京に比べればやはり選択肢は少ないですが、そこは地元に戻ってくる前からわかっていたことですので。今はインターネットもあり、衣類等は試着ができないということはありますが、インターネットで購入することもできます。他にも直接見たいということがあり、東京の花市場や資材屋へ仕事の関係で年に数回東京へ行く機会があります。また今度結婚をする相手が東京の出身ということもあり、実家への帰省などで東京へ行ったりする機会もあります。買い物等はその時にできるのかなと考えています。

―ご結婚おめでとうございます。お相手の方は大船渡へ戻られることについては理解されていたのでしょうか。

ありがとうございます。大船渡へ戻るつもりでいることは始めから伝えていました。また彼の方も以前から田舎に住みたいと言っていたので良かったです。

―地域については。

そうですね、観光がもっと盛んになると訪れる人も増え、地域にも活気が出てよいのかなと思います。ただ、ここは新幹線の駅からも遠く、また道路も車が無いと不便ですので、そう簡単にはいかないのかなとも思います。今後三陸自動車道が完成するとまた少しは違うのかなと思いますが。

―東京へ出られてみられて。

東京へは出てみてよかったと思います。私の兄も一度東京へ出て今はこちらへ戻ってきています。

―お友達等は。

戻ってきている人もいますが、戻ってきていない人の方が多いです。地域に若い人が増えて欲しいなとは思っているのですが、結婚等でそのまま帰ってこない人も多いのかなと感じています。

―お店ではどの様なお仕事をされているのでしょうか。

今はお店のディスプレイを任せてもらっています。お客様からお店の雰囲気が変わったねと言われるととても励みになります。

―やはり行かれていたフランスの雰囲気等を取り入れているのでしょうか。

 はい。参考にしつつオリジナル性も出せるように心がけています。

―ご両親との違いは何だと思われますか。

母からはお花のアレンジメント等で草花を用いるところが違うと言われます。こちらではススキなどイネ科の草花はあまり使わないのですが、東京やフランスでは草花を使うことは当たり前です。私も草花を使ったアレンジメントはとても素敵だと思いますので、こちらでもその様なアレンジメントをどんどん取り入れていきたいと思います。他にもブーケの作り方やラッピングの仕方が自分たちとは違うと言われます。

スタイルは時間とともに変化します。両親は自分たちが昔習ったやり方を今から新しいやり方に変えることは、すごく勇気がいることだと言います。新しい花を仕入れることも、使い方も分からなく、売れるか分からないので仕入れするのに勇気がいるので、両親は私に新しいことをどんどん始めて欲しいと言います。私には東京やフランスで働いた、そこで様々な花を見てきたという経験があり、それは強みになると考えています。その経験を生かし新しいものを今後は提案していきたいと考えています。もちろん両親の花も素敵です。またそれが素敵だと言われるお客様もおられます。お互いに自分の得意分野で、相手の不得意分野を補い合っていけるといいのかなと思います。また新しいスタイルを若い方だけではなく、年代の高い方達にも受け入れて頂けるように頑張っていきたいと思います。

―今後はどの様なことをやってみたいですか。

「花育」に興味があります。花を買ってもらうためには、買う人を増やすには、子供の頃から花に親しむことが大切だと考えています。今年(2018年)の母の日には、お母さんにお花を作って渡そうということで、子供たちがお店で小さな花のアレンジメントを作れるようなイベントをやりたいと考えています。この様なイベントは今後も定期的に行っていきたいと考えています。また何かを作らなくても、両親と一緒に花屋へ来て花を選ぶ、これだけのことでも花を好きになるきっかけになるのかなと思っています。その様な機会を作れるようなイベントも今後考えていきたいと思っています。また女性だけではなくぜひ男性にも花を買ってもらえるようになって欲しいので、そのきっかけになるようなことも今後考えて行きたいと思います。私は花屋ですがやはり花をもらうと嬉しいです。

―将来はどの様な花屋にしていきたいですか。

一から起業をするというのはとても大変なことだと思います。家業がありそれはとても感謝しています。今まで長く外へ出してもらっていたので、その恩返しを今後はしていきたいと考えています。今は家族3人で働いていますが、将来は人を雇えるくらい忙しく働きたいです。